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コラム

解散登記だけして残してある会社の登記簿が取れなくなっていた

取引のある会社の社長から「○○有限会社っていう会社も持っているんだけど、登記簿が取れないんだけどどうなっているかわかる?」という問い合わせがありました。事務所のデータをしらべてみると、以前に解散登記と清算結了登記を申請する準備をした履歴があり、実際に申請した記録はなかったため、「解散登記と清算結了登記をする準備をした履歴はあるので、もしかしたら清算結了登記までして登記簿も閉鎖されている可能性があります。」とお伝えしました。
実際に登記簿を取得してみると、案の定閉鎖されていました。ただ、閉鎖の理由が、「商業登記規則第81条第1項による登記記録閉鎖」とのこと。

 

正直、初めて見ました。商業登記規則を調べてみると
第八十一条 次に掲げる場合には、登記官は、当該登記記録を閉鎖することができる。
一 解散の登記をした後十年を経過したとき。
二 次項又は第三項に規定する申出後五年を経過したとき。

 

確かに、登記簿をよく見ると平成17年に解散登記をいれていました。そこから10年以上経過して登記簿は平成28年に閉鎖をした状態だったようです。
今回、連絡があった社長の話だと車の保険契約が残っているため登記簿が取れないと困ってしまうとのこと。

 

条文の続きを読むと閉鎖された時の救済方法がありました。

 

三 第一項の規定により登記記録を閉鎖した後、会社が本店の所在地を管轄する登記所に清算を結了していない旨の申出をしたときは、登記官は、当該登記記録を復活しなければならない。

 

申し出るだけで閉鎖されている登記記録は復活してもらえるということはわかるのですが、今までなかったケースなので清算を結了していない旨を申し出るだけでいいのか、どんな書面を提出すべきなのか、清算業務中だということの資料は提出する必要があるのか、いろいろ疑問があったので法務局へ問い合わせました。

 

聞いた内容と回答は以下の通りです。
①申出書はどんな内容を書く必要がありますか?
⇒ひな形があるのでFAXします。
⇒今回提出した内容の書面をPDFで載せますので参考にしてください。

 

②申出書に清算結了していないことの証明資料は添付する必要がありますか?
⇒今まで提出された申出書を見ると会社の名義が残っている登記簿などを添付している会社もありますが、法定の書面として求めているものは申出書だけなので申出書だけで手続きは可能です。

 

③押印する印鑑は会社実印ですか?それとも清算人の個人の実印に個人の印鑑証明書を添付すべきですか?
⇒「会社の実印があれば会社実印をおしてもらえれば大丈夫。ない場合は清算人の個人の実印に印鑑証明書を添付してもらう以外に方法は思いつかないですね」とのこと。社長は印鑑カードはなくしてしまっているとのことだったので、印鑑カードについても確認したところ、登記記録が復活してから印鑑カード廃止+印鑑カード交付申請をする必要があるとのことでした。ただ、登記記録を閉鎖した時期によっては、法務局のデータからも会社の実印の印影データがなくなってしまっているかもしれないので、その場合には復活してから印鑑届けをしなければならないといわれました。そもそも印影データがなくなっているのに申出書に会社実印を捺印してどうやって確認するんだろうと疑問をもちつつも今回は印影データはあったので印鑑届はせずにそのまま提出しました。

 

法務局への問い合わせで、申出書と一緒に登記申請をする必要があるといわれたり(登記記録の復活だけであれば必要ありません。)、印影データがない場合にどうやって会社実印を確認するのだろうと疑問を持ったりしましたが、法務局でもなかなかないケースのようでいろいろと調べてもらいながら教えてもらいました。

 

登記記録の復活の他に付随して印鑑関係の手続きが必要になる可能性もありますので、万が一閉鎖されていた場合には法務局へ確認するところから始めたほうが良いかと思います。

 

業登記規則第81条第3項による申出書(PDF)

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